校長 井上 史彦 挨拶

いまやるべきこと/Do what we should do

いまやるべきこと/Do what we should do

これまでの50年の伝統を守るため。これからの50年の未来を支えるため。
このようなときだからこそ、私達がやるべきこと、
やらなければならないことがあります。

井上 史彦/ Fumihiko Inoue

1970年に保土ヶ谷の地で、20数名の選手と数名の指導員でスタートしたラグビースクールが、選手数600名、指導員数150名を超える大所帯となって50周年を迎えることができました。
こうして50周年を迎えることができたのも、協会関係者や学校関係者、大勢の選手とそのご家族、関係各位のご協力のおかげと感謝しております。
ありがとうございました。

この記念すべき50周年ですが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、現在、通常練習や試合をはじめ、修了式や入校式など一切のスクール活動を休止しております。

子ども達・選手達にとっては、思い切りグラウンドを駆け回ることができず、また、仲間とともに過ごす時間を奪われ、歯がゆい思いをしていることでしょう。保護者のみなさまも、いつ再開されるともしれぬ幼稚園・小中学校の状況に加え、お子様達が外で元気よく汗を流す時間も場所もなくなり、不安やストレスを抱えていらっしゃると思います。

私どもとしても、十分な安全策を講じたうえで「グラウンド開放」などを実施できないか検討してまいりましたが、このような状況ではなかなか実現に至らず、忸怩たる思いでおります。

ですが、このようなときだからこそ、私達がやるべきこと、やらなければならないことがあります。いままで継続してきたことを変わらず続け、いままでと違う新しいことにチャレンジしなければなりません。

横浜ラグビースクールには代々受け継がれてきた「7つの誓い」があります。ラグビーのスキルやテクニックを教えることよりも大切にしている誓いです。このようなときだからこそ、この「7つの誓い」の中でもとくに「苦しみに耐え抜く」「協力一致」について、いまいちど考える機会としていただきたいと思います。

ラグビーに限らず、子ども達・選手達のこの先の人生で、必ずや壁にぶち当たるときがやってきます。苦しみに耐え抜き、力を蓄え我慢しなければならないときが訪れます。そのようなときでも、どんなに高い壁であっても、仲間や家族と協力一致すれば乗り越えることができるはずであり、今回のような困難に直面したときにこそ、そのような覚悟で臨んでもらいたいと思っています。

50周年を迎えるにあたり、横浜ラグビースクールは「つなぐ」というテーマを掲げました。スクールが産声を上げた50年前から今日まで、そして、今日から先の50年まで、先輩達から受け継いだ伝統や想いを後世につなぐ、という意味を有しています。さらにこのテーマには「人と人をつなぐ」「人と地域をつなぐ」という意味を含んでいます。

私達は、ラグビーを通じて「過去と未来のつながり」「人と人のつながり・地域とのつながり」を大切にして活動を続けてきました。今回のような困難のときでも、「人と人とのつながり」を大切に、これまでつながれてきた伝統や想いを信じること、そしてこれからの未来を信じることで、乗り越えることができるはずです。

50周年を迎えた今日、私達がやるべきことは、想いをつなぎ、人と人とをつなぐことではないでしょうか。選手・保護者・指導員全員でこの困難のときを乗り越えましょう。